決断社史 - 長期視点の普及

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問題提起 / 免責事項


決断社史

すぐに役立たない話


決断社史 - 31事例

ビジネスパーソンの皆様に「長期視点」を普及するため、日本企業の歴史的な決断/意思決定を紐解き「どのような時代背景(When)のもと、当時の経営者(Who)が何を決断し、結果として長期利益に結びついたのか?」を発掘調査しています。詳しくはこちらへ。


#業態転換 #国内投資 #海外投資 #意図せざる結果 #経営再建


1. 業態転換

ドン・キホーテ - 現金問屋→小売業

1989年 ドン・キホーテ1号店を開業

三菱商事 - トレーディング→事業投資

1967年 ブルネイLNGの共同開発投資

伊藤忠 - 繊維商社→総合商社

1960年 総合商社化の本格化

吉本興業 - 映画館→テレビ制作支援

1959年 毎日放送と提携

パイオニア - オーディオ→ビジュアル

1972年 光映像ディスク(LD)の研究

セーレン - 繊維加工→車載

1972年 合繊カーシートの開発

三井金属 - 神岡鉱山→電子材料

1977年 大規模な人員削減

住友金属鉱山 - 別子銅山→海外鉱山

1973年 別子銅山の閉鎖

パルコ - 百貨店→不動産

1973年 渋谷パルコ開業

三浦工業 - 売り切り→定額課金

1973年 メンテナンスの有料化


2. 国内投資

ホンダ - 二輪&四輪への新規参入

1948年 会社設立〜藤沢武夫のスカウト

東急電鉄 - 多摩田園都市の開発

1953年 多摩田園都市の開発

森ビル - 大規模再開発

1967年 赤坂地区の土地買収を開始

ファーストリテイリング - SPA

1985年 カジュアルウェアのSPA構築

青山商事 - スーツの低価格化

1974年 業界初の郊外紳士服店

川崎製鉄 - 銑鋼一貫構想

1953年 千葉製鉄所高炉の稼働

日本NCR - スーパー開業支援

1953年 紀ノ国屋の開業支援

松菱 - 地方百貨店の起業

1936年 浜松鍛治屋町に百貨店開業

ノーリツ - 自宅風呂の普及

1951年 能率風呂の特許買収

ピジョン - 哺乳瓶の研究開発

1962年 女性の乳首研究の完了


3. 海外投資

キッコーマン - 醤油で北米進出

1973年 北米ウィスコンシン州に新工場

赤井電機 - 世界各地に輸出

1956年 米ロバーツ社とOEM契約


4. 意図せざる結果

北海道炭礦汽船 - 夕張の悲劇

1970年 夕張新炭鉱の開発

住友石炭鑛業 - 石炭に集中投資

1963年 赤平砿に立坑新設

ユニデン - アジア生産+米国販売

1979年 コードレス電話の米国発売

日本特殊陶業 - 点火プラグ→PGA

1980年 パッケージ生産に本格投資

東燃ゼネラル - 脱石油を画策

1978年 新事業開発室の設置

プリンス自動車 - 乗用車量産工場

1964年 村山工場の新設

東急百貨店 - 店舗新設

1963年 伊勢丹山本常務をスカウト

小野田セメント - 事務合理化

1956年 IBM(PCS)の導入


5. 経営再建

いすゞ自動車 - 外資傘下で再建

1971年 GM提携(GMが筆頭株主34.2%)


問題提起 - 時代性の読解

「ビジネスパーソンが意識すべきは、短期視点ではなく長期視点である」

長期視点とは、数十年先の未来が「こうなる」と予測することではなく、過去から現在に至るビジネスの時代性を30年〜100年という時間軸で理解した上で、「今はこうする」という判断軸を持つことです。そして「時代性に裏付けられた決断は、企業やビジネスパソーンの長期利益に結びつきやすい」という仮説を信じています。

ところが、日本のビジネス界には長期視点を提唱する経営思想家が少なく、短期視点に偏った言説が過剰に流布しています。特に、閲覧画面の小さいスマートフォンの普及によって単純化された言説が好まれるようになり、短期言説が爆発的な勢いで増殖した結果、ビジネスパーソンは短期視点の過剰摂取に陥った観があります。しがたって、今後、現在の反動として、長期視点の言説家が必要となります。

なお、今まで、長期視点がビジネスパーソンに普及しなかった理由は、時代性の読解の難しさに由来します。半世紀前のビジネス界の常識は今とは全く違いますし、ビジネスをとりまく時代背景、当時の経営者たちの思考の内容は多岐に渡るため、日々の仕事に忙殺される現代のビジネスパーソンが時代性を分析することは困難です。また、時代性の読解には膨大な過去情報を取捨選択する必要があり、意味づけのセンスも要求されます。

したがって、長期視点の普及には古くて新しい専門家が不可欠という結論に至りました。そこで、私は社史研究家として「長期視点をビジネスパーソンに広める活動」を行っております。この活動を通じて、長期視点を重視するビジネスパーソンの皆様の意思決定のお役に立てれば、これほど幸せなことはありません。

長期視点の普及活動は2060年12月まで1人で淡々と続けますので、どうぞ、末長くよろしくお願い申し上げます。

2019 杉浦


決断社史のスタンス

1. 商売には栄枯盛衰がある

そもそも、大前提として、個々の商売(誰に何を売るか)は、ほとんどの場合、永続しません。あらゆる商売は特定の時代性のもとで発展するため、時代を取り巻く環境が変化して競争が激化すれば、構造的に利益が出なくなり行き詰まります。古今東西、優良企業が絶えず入れ替わる理由は、商売に栄枯盛衰があるからです。

ところが、ほぼ全てのビジネスパーソンは栄枯盛衰の恐ろしさを過小評価しています。

例えば、日経ビジネスは1990年4月9日号で「読者が息子に薦める43社」というアンケート結果を集計し、「1位ソニー、2位ホンダ、3位日本電気、4位日本電信電話、5位日本興業銀行」という結果を記載しました。この事実は、大多数のビジネスパーソンが短期視点しか念頭になく、時代性や長期視点を軽視するため、結果として将来に禍根を残す恐れがあることを示唆しています。

したがって、決断社史では、商売を取り巻く4つの栄枯盛衰のフェーズ(創業期→成長期→成熟期→衰退期)を時代性として念頭に置いた上で、「経営者がどのような決断を下したのか?」という事例を執筆し、ビジネスパーソンに長期視点の重要性を伝えることを狙いとしています。

2. フェーズ別に戦略は異なる

それぞれの商売のフェーズにおいて経営者が念頭に置くべき戦略テーマは異なります(もちろん例外もあります)。

上図:フェーズ別の戦略課題(筆者作成)

市場の創業期(導入期)には市場開拓が必須で、創業間もないベンチャー企業であれば資金調達も欠かせません。このフェーズで市場開拓に成功し、美しい戦略のストーリーが描けると、次の成長期のフェーズへ柔軟に移行できるケースが多くあります。

市場の成長期は国内投資に加え、社員をまとめる組織設計が大きなテーマになります。この時期は売上高が急激に伸び、人員を積極的に採用することから、組織へのメンテナンスを怠ると採用市場で悪い評判を呼ぶことになるため、経営者は組織という「内の世界」の改革に乗り出すことが多いようです。

市場の成熟期には、未開拓の海外市場に注力しつつ、国内の合理化を推し進めることが散見されます。場合によっては、新事業の立ち上げ(多角化)もこのフェーズになると目立ちます。グローバル展開や新規事業というと、聞こえは良いですが、その背景には国内市場が伸びないという裏事情が見え隠れすることが多く、既存事業のフェーズが冬に近づいていることを示唆します。

そして、衰退期に差し掛かってしまった場合には、業態転換(誰に何を売るかを再定義する)か、めぼしい新事業がない場合は業界再編が大きなテーマになります。このフェーズにおける戦略的な意思決定は、人員削減を伴うことが多いため、例外なく悲劇的な様相を帯びます。なお、社内で利害関係が対立するため、体調を崩す経営者も少なくありません。

このうち、日本の大企業が直面する課題は、主に3〜4です。大企業という言葉には安定的な響きがありますが、裏を返せば商売の戦線が伸びきっていることを示唆しており、商売のフェーズが成熟〜衰退に差し掛かっていることを意味します。このフェーズの課題に向き合う場合、決断社史の「業態転換」ないし「海外投資」の項目が参考になります。

他方、日本のベンチャー企業が直面する課題は、主に1〜2です。意外かもしれませんが、成長期のベンチャー企業が参考すべきは、日本の「過去」の大企業であり、特に組織設計を学ぶ際に有効です。歴史を緻密に振り返れば、今の日本の大企業の多くは、高度経済成長期に「実力主義」や「中途採用」を積極的に取り入れたベンチャー企業でした。今の大企業の「過去」を学ぶことは、次の世代を担うベンチャー企業に大きなヒントになり得ます。

3. 世代を超えて意思決定を伝承する

世の中の「経営論」の大半は、企業の存続を是としていますが、決断社史では企業の存続を「是」としません。企業の消滅が悲劇的であることは間違いないですが、商売に栄枯盛衰がある以上、避けることが難しい場合もあるからです。

重要なことは、経営成果であることはもちろんですが、それと同様に過去の意思決定を次世代に伝えることも重要だと考えています。伝承がしっかりなされれば、たとえ、意思決定の結果が芳しくなくても、次世代の人間は「過去の教訓」という資産を手に入れることができます。

そして、この資産は、次世代の人間が意思決定を行う際に大きな武器になるはずです。

以上


更新履歴

  • 2019/9/01 決断社史のスタンスを追加
  • 2019/8/25 トップページのデザインを変更
  • 2019/8/15 コラム(すぐに役立たない話)の執筆開始
  • 2019/6/01 決断社史の開設

  • 主なメディア掲載

  • 2019/9/4 日経ビジネスオンライン

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